1Q84

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

5月末の発売直後に街のどこの本屋さんに行っても売ってなくて、このままだと手に入るのは7月かねえ、と思っていたんですが、ふとした拍子に入った大学の生協で平積みになっていた。意外と穴場だな、大学生協。とはいえ、なんだかんだで読み切るのに1ヶ月近くかかってしまいました。
読んでいて思ったのは、村上さんの作品にしては「読みやすい」ということ。天吾と青豆の二人の登場人物が、それぞれわりと明確な目的に対して行動しているので、ストーリーがどの方向に向かっているのか、比較的把握しやすかったからでしょうか。いや、正直「ねじまき鳥」を読んでいるときに全然ストーリーの流れをつかむことができなかったのが強烈なトラウマになっているから、今回なおさらそういう風に思うのかもしれませんが。
そういうトラウマがあるので僕は今まで村上春樹を読んだことのない人には(よっぽどマゾっ気のある人を除いて)決して村上春樹の小説をオススメしないのですが、この「1Q84」は読んでみてもいいんじゃない?くらいにはオススメしてもいいと思います。さすが村上春樹、と思わせる程度には面白いです。
それでも「この部分ははストーリーの中でどういう役割なの?」と思うところはいくつかあるんですけどねえ。天吾君の見る幻覚の意味は?とか、安田さんは結局どうなっちゃったのよ、とか、読み終わって消化しきれない部分が。あ、だからBOOK3が出るんじゃないか、という噂がたっちゃうわけですね。
あとねえ、主人公の男の人(今回は天吾君)がパスタを茹でていないのが微妙に違和感。ほら、村上さんの小説の主人公って、よくパスタを茹でてるじゃないですか。それを読んでだいたい僕もパスタを食べたくなってサイゼリヤに行くわけですが、この1Q84は別にパスタを食べたくはならなかった。