東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

書評で各紙絶賛だったのと、リリー・フランキーという人物に興味があったので読んでみた。
前半はありがちな青春自伝小説か、と読み進めるのがちょっと億劫になった部分もあるのだけれど、後半は筆者の感情の昂りがダイレクトに伝わってきて、途中で本を閉じることができなくなってしまった。

どれだけ親孝行をしてあげたとしても、いずれ、きっと後悔するでしょう。あぁ、あれも、これも、してあげればよかったと。

今でもぼんやりと、いずれはそういう時がくるのかな、ということを考えることはあるのだけれど、それでも「その時はまだまだ先なんだ」とか考えて、そのことから目をそらしているような気がする。でも、本当にその時はまだまだ先なのかなあ？
できるうちに親孝行しとかなきゃなあ、としんみりしてしまった読後。大切なものは、なくしてからしか気づかないのだ。

「淋しいだろうけど、男は母親が死んでからやっと一人前になんのよ」

そうかもしれないねえ。