コメント欄雑感

fujipon先生が「こんなコメントは、もう要らない!」(id:fujipon:20060115#p2)という文章を書かれていたのですが、僕もコメント欄について最近ぼんやり考えていることがあったので、これを機会につらつらと書いてみたいと思います。僕の立場としてはfujipon先生の書かれていることについてはほぼ同意です。

僕がネットの世界に足を踏み入れた頃は、ブログなんてものはなくて、ネット上の議論とか、コミュニケーションはもっぱら掲示板の上で行われていたような気がします。その頃の精神が染みついているのかもしれませんが、僕は「ブログのコメント欄」というのは「サイトの掲示板」の延長みたいなものだと思っているのですね。ただ、掲示板と比べてブログのコメント欄というのは発言主の顔が見えにくい、という印象があります。掲示板コミュニケーションだと自分の持っているサイトのアドレスなり、メールアドレスなりを書き込む欄があるし、なによりも最初に書き込む時に「初めまして」とか「こういう者です」といった自己紹介みたいなもののやりとりをしてから書き込みをするといった「最低限のエチケット」みたいなものが守られていたような気がするのですね。そういったエチケットがどうもブログ時代に入ってから風化しているような気がしてならない。特に、これは「はてなダイアリー」の仕様だから仕方がないのかもしれませんが、「はてな」ユーザーによるコメントでなければ、相手のブログもメールアドレスもさっぱりわからない「匿名投稿」になってしまうのですよね。そうすると、コメントを書いてくれる人の背景とか、考え方とかが全然分からないままコメントのやりとりをすることになってしまうのですが、これは掲示板コミュニケーションに慣らされている僕としてはかなり怖いことなのです。まあ、これも時代の流れなのかなあ、と思って頑張ってついていこうとしているわけですが。

さて、実際、今までこのブログ(地下室)をやってきて、最近ではたくさんコメント欄に書き込みもしてもらえるようになってきたわけですが、基本的に僕は全部レスを返すようにしています。これは僕の拙いブログを見ていただいてリアクションをしてもらったことに対するせめてもの礼儀だよなあ、と思ってのことなのですが、正直言ってそんな中に時々、「これはどうリアクションしていいのかな・・・?」と考え込むようなコメントが混じっているのです。たいていの場合僕は、そういうコメント(fujipon先生のいうところの「悪いコメント」にあたるわけですが)に対してなんとか気の利いたレスが返せないかなあ、と考えるわけですが、これが結構ストレスなんですよね。当然、無視したり、削除したり、という選択肢もあるのですが、僕はそういった「人からもらったメッセージ」を消したり、無視したりするのが苦手な性格だったりするのです。そして、結局うんうん唸ってひねり出したレスを書くことになるのです。もうこれは自分の性格の問題だから仕方がないのかなあ、と半分あきらめてはいるのですけど、ただ、そういうストレスのかかり具合というのは個人によって違うものだと思うし、そういうコメントに対して「無視する管理人」や「削除する管理人」がいても別に僕はおかしくないと思います。所詮それはコメント欄に対するその管理人のスタンスの違いだと思うのです。別に全部レスする管理人が偉いとも思わないし、気に入らないコメントを削除する管理人がダメだというつもりもない。むしろ全部レスしなきゃ気がすまない自分が不自由だなあ、と思う時すらある。

ただ実際はそういうレスに困るコメントというのは少数派であって、fujipon先生が書かれているように管理人にとって大部分のコメントというのは「ものすごく嬉しい」ものですし、それによって勇気づけられたり、力をもらったりすることも多いのです。だからこそ僕はコメント欄を開いているわけだし、、コメント欄から「エントリの内容を受けて、何かを伝えよう」という熱意が伝わってくるコメントに対してはこちらからも熱意を持ってレスをするつもりなのです。それが本来のコミュニケーションというものだと思うし、そういったコミュニケーションが成立する瞬間というのはお互い気持ちがいいものだと思うのですよ。ま、理想論なのかもしれませんが。

うーむ、だんだんまとまらなくなってきてしまったのですが、結局、何が言いたかったかというと「コメント書くときゃ空気嫁」ということなのだな。これだけ書いてきて12文字で要約できてしまう文章ってなんだよ(しかも全然要約になってないような気もする)。

ところで、11月頃まで、このブログの一番上に「コメントを書き込んでいただければ喜んで返信します」という一文があったのですが、それが消えたことに気づいた読者さん、いらっしゃいますか?そしてその一文が消えた意味が分かる読者さんはいらっしゃいますかねえ?

答えは僕の胸の中。