県庁の星

最近すっかり読書ブログになってるような気がしますが、まあいいか。

県庁の星

県庁の星

よくありがちな頭でっかちの公務員が、民間のスーパーに出向してひと騒動起こす、という設定のお話。しかし、登場人物がいかにもなステレオタイプな人々ばかりで笑いがこみ上げてくる。そのぶんストーリーは分かりやすくて一気に読めてしまうわけですが。
しかし、これは公務員VS民間、という対立軸でなくて管理職VS現場、という対立軸で読むこともできやしないか。本当にねえ、なにかと上は「何かあった時に責任はどうする」とか言って規則とか通達とかで下を縛るんだけどねえ、それじゃ仕事がまわっていかないんだってば。と、どこに向かってでもなくつぶやいてみたりする。
印象に残った言葉。行き詰まった主人公に、パートのおばちゃんがかけた言葉。

ゼロになんなさい。その賢い頭使って、全然ダメだったんでしょ。だったら柔らかい頭の人に聞いて歩きなさい。だいたいなんで自分だけ社食で指揮とってんのよ。一緒にジャガイモの皮を剥きなさいよ。ニンジンを切りなさいよ。管理者っていうのはね、すべてをわかってる人しかできないの。わかってないなら、教わりながらすべての仕事をしてみなさいよ。

ちなみに、この物語、もうすぐ映画化されるそうです。主人公に織田裕二、という情報が先に耳に入っていたので、読んでる最中、どうやっても主人公の顔が織田裕二になってしまった。でも、確かに織田裕二にはハマリ役かもしれないですね。あと「商売は会議室でやってんじゃない!現場でやってるんだ!」とか叫ばせるとグッドかも。