食品の裏側

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品添加物専門商社のトップセールスマンだった著者が、加工食品製造の裏側でどのように食品添加物が使われているかの実情を書いた本。
まあ、「知れば怖くて食べられない」なんて煽るようなオビの文言で、すわ「買ってはいけない」とか「食べるな危険!」シリーズの二番煎じ?とか思ったのですが、それがなかなかどうして。
この本を読んですごいなと思ったのは、著者は元加工食品業界に身を置いていただけあってか、食品添加物のもたらす恩恵にもきちんと言及しているのです。つまり、食品添加物のおかげで現代の日本人は毎日の食事を安価に、そして手軽に口にすることができているということなのです。ただ、それとひきかえに、失っているものがあるということを現代人は自覚していない・・・。
確かに、コンビニ弁当なんて安くて手軽に食べられて、便利だもんなあ。でも、本来「食べる」っていうことはそんなに手軽なことではなくて、もっと根元的に命につながる作業であるんですね。もっと「食べる」ということに関心を持ちましょう、というのが著者の言いたいことだと思うんですがどうなんでしょう。この本を読んでから、僕もコンビニでいろいろな食べ物の原材料名を確認するようになってしまいましたよ。
というわけで、なんで僕が突然自炊を始めたかというとですね、ズバリこの本を読んだからなのです(単純と言えば単純な理由)。いや、5年間米も炊いたことのなかった人間が突然自炊を始めるくらいのインパクトがあります。ホントに。
しかし、どこの業界でも「早い、安い、安全」のすべてを満たすということは至難の業なのかもしれませんね。